♪お誕生日、おめでとう〜
そのリズムとメロディは、どこ産(さん)ですか、お父さん。そして、母に急かされてお誕生日の定番ソング【Happy Birthday】を、歌ってくれるお父さん。
同じ誕生日月の兄と一緒に、ケーキに刺したろうそくの灯を消すはずが、同時ではなく、兄の一息で一気に消えたので、もう一回。
そして、また母に催促され、歌い出す父。
兄の名前は3文字だからかサラリと出てくるのに、4文字の私の名前になるとつっかえてしまい、もしかして、「名前、忘れてる?」と思ったのも束の間、やっと喉の奥から絞り出して、
父の口からぽつりと、落ちて出たような私の名前。
その瞬間、すごいうるっとしてしまった🥺
今、父は本当は身体的にとても家にいてはいいと言えない状態で、先が長いのか短いのかもわからない状態なのですが、
あの一瞬で、私は悟った。
父に、父のあの声で、名前を呼んでもらいたい。
父と、まだ、これからも生きていたいと。
だから、こっちも本気の想いで
ぶつかりたいと思う。
どんだけ、嫌われようと、こっちは父に長生きしてほしいから。だからこそ。