またエッセイが読みたくなって、手に取った一冊。
韓国人でシンガーソングライターのイ・ランさんと、漫画家のいがらしみきおさんの文通スタイルのエッセイ、『何卒よろしくお願いします』
コロナ後のエッセイには、“コロナ”がどこをいってもついてまわる。この本もまた然り。
字も細かくて、分厚さのある本だったが、
あっさりと読み終えた。
印象に残っているものとしては、
イ・ランさんのお母様の世紀末論や、漫画家さんの娘さんを「商品として、社会に送り出してしまったのではないのか?」というやりきれなさ。
また、最初のページでイ・ランさんに快活に話しかけていた人が最後のページでは亡くなっていたことに、突然というか、衝撃を受けた。
やはり、人の死とは不意打ちだ。
物語の登場人物のようには、
死ぬまでは見送れない。
この本でイ・ランさんというアーティスト、そして、彼女の考えを知れたのがよかったなと思う。生きるのに切実にで、それでも生きていく人。
そんな印象が、
彼女の文章の節々から見えた気がする。