赤だしに、
まつ毛よりもミニマムな毛が赤だしの具とまぎれていて、どうしたもんかと箸を止めたが、
箸の先っちょでつついて、
他所へやる。
目の前には、祖母と叔父がいて、私の隣には母がいて、全員同じランチセットを味わっている。
わざわざ、1ミリ、5ミリの毛ごときで、
1年ぶりの楽しい食事をストップさせるのは本意じゃない。それに、お寿司は美味しいし。
薄くスライスされた魚の身のピンクや白の色鮮やかさと、その透け感に、
新鮮な魚介類を堪能しているご満悦感が、
今この時間には、ある。
毛なんて、よければいいだけ。
そうして、箸を進める。
最後に、私だけ別でお手製厚焼き卵を注文する。
カウンター越しに大将風味の店員さんから、厚焼き卵が乗ったお皿を受け取って、ぱくり。
厚焼き卵のベースを成す甘めの味付けが、
舌の上に広がる。
この回転寿司さんは、甘めの味付けで今まで来たんか。我が家とは真逆だな。
我が家は、と、考えて、
言葉に詰まる。
塩気?
この表現でええのかな?
ちょっとしょっぱい。
「しょっぱい」って、変換でお任せすると、「塩っぱい」だから、やっぱり塩気で合ってるのかな。
まあ、我が家のだし巻き卵と違って、
注文した一皿は、甘めな味付けで、まだ作りたてのあたたかさが残っていて、
たのんで、よかった。
どでーーん。